ご家族・支援者の方へ
B型に家族が付き添うとき、見守ると引くの線引き
「見学に一緒に行っていいのかな」「通いはじめも、そばにいたほうがいいのかな」。大切な人のことだから、迷って当然です。この記事では、就労継続支援B型(体調に合わせて作業をする福祉サービスのこと)に家族が付き添うとき、どこで見守り、どこで一歩引くかを、家族目線でお伝えします。
まず、付き添いはしていい。ダメなことじゃない
家族が見学や説明の場に同行することは、めずらしくありません。
心配だから一緒に行く。それは自然な気持ちです。
ただ、付き添いの「かたち」は場面によって少しずつ変わります。
- 見学のとき
- 通いはじめのとき
- 通うことに慣れてきたとき
それぞれで、ちょうどいい距離がちがってきます。
なお、同行できる範囲や決まりは事業所によって異なります。気になるときは、見学の申し込みのときに一度たずねておくと安心です。
見学のとき、家族はどこに立つといい
見学は、家族が一緒に行きやすい場面です。
初めての場所は、ご本人だけだと緊張しやすいものです。となりに家族がいるだけで、気持ちがほぐれることもあります。
このとき、見守ってほしいのはこんなところです。
- ご本人の表情がやわらいでいるか
- 「ここなら通えそう」とご本人が感じていそうか
- 説明を聞いて、ご本人が質問できそうか
一方で、少し引いておきたいのは「答える役」です。
スタッフがご本人に話しかけたとき、つい家族が先に答えてしまうことがあります。心配だからこそ、なのですが。
そこは、ぐっと待ってみてください。
ご本人が答えるまでの「間(ま)」は、その人のペースそのものです。スタッフはその間もふくめて見ています。
通いはじめは「送るところまで」を目安に
通いはじめは、いちばん不安な時期です。
家まで戻ってこられるか、初日をどう過ごすか。心配は尽きません。
この時期は、
- 事業所の入り口まで送る
- 帰りの時間に合わせて迎えに行く
くらいから始める方が多いです。
作業の場に家族がずっといられるかどうかは、事業所によって決まりがちがいます。無理に中まで入ろうとせず、まずは送り迎えから、と考えておくと気持ちが楽です。
そして、初日にご本人がぐったり疲れていても、あわてないでください。
新しい場所は、それだけで体力を使います。「よく行ってきたね」だけで十分なことが多いです。
一歩引くのは「ご本人とスタッフの間」に入りすぎないこと
慣れてくると、家族の役割は少しずつ変わっていきます。
このころに気をつけたいのは、家族が「通訳」になりすぎないことです。
たとえば、
- ご本人が言いにくそうなことを、いつも家族が代わりに伝える
- ご本人への連絡を、いつも家族が受けて渡す
はじめのうちは、それが必要なこともあります。
でも、少しずつでいいので、ご本人とスタッフが直接やりとりする場面を残していけると、ご本人の「自分でできた」が増えていきます。
引く、といっても見放すことではありません。
「困ったら、いつでも言っていいよ」という土台を残したまま、前に出る回数を少しずつ減らす。そんなイメージです。
家族が抱えこまないための、つなぎ先
付き添う家族も、しんどくなることがあります。
それは弱さではありません。近くにいる人ほど、心配を強く感じるものです。
そんなときは、家族だけで抱えこまないでください。
- 相談支援専門員(福祉サービスの利用を一緒に考えてくれる人)に相談する
- 事業所のスタッフに、家族としての不安も伝えておく
家族の心配ごとを共有しておくと、ご本人への関わり方も一緒に考えてもらいやすくなります。
利用の条件や手続きは、お住まいの市町村によって決まりがちがいます。くわしくは市町村の窓口や相談支援専門員にご確認ください。
例えば、島根県松江市にあるKUKKULAのように、見学の相談を受け付けている事業所もあります。付き添いのことも、見学のときに一緒にたずねてみてください(見学のお申し込み/よくある質問)。
さいごに
付き添いに、決まった正解はありません。
ご本人の様子と、その日の調子を見ながら、少しずつ距離を変えていけば大丈夫です。
見守るところは、しっかり見守る。引くところは、そっと引く。
その行ったり来たりのなかで、ご本人が「自分の場所」を持てていけたら、それがいちばんです。あせらず、一緒に進んでいきましょう。
