はたらくということ
A型とB型の違い、体調と時間から考える
「A型とB型、自分はどっちに行けばいいんだろう」。そう考えて、手が止まってしまう。そんな気持ちになるのは、とても自然なことです。
この記事では、制度の細かい比較ではなく、あなたの「体調の波」と「今、どれくらい働けそうか」から逆算して、どちらを考えてみるかの手順をお伝えします。
まず、大きな違いをひとことで
くわしい制度の話は市町村の窓口や相談支援専門員(福祉サービスの相談にのってくれる専門の人)にご確認いただくのが確実です。ここでは、ざっくりした感じだけお伝えします。
- A型は、雇用契約(会社と結ぶ「働きます」という約束)を結んで働く形が多いです。
- B型は、雇用契約を結ばずに、自分のペースで作業に取り組む形が多いです。
この「契約を結ぶかどうか」の差が、働き方の空気にもつながってきます。
ただし、利用の条件や決まりは、お住まいの市町村や事業所によってちがいます。ここに書いたことがそのまま当てはまるとはかぎりません。
「制度」からではなく「自分」から考えてみる
表を見比べても、なかなか決められないことがあります。制度は、あなたの毎日を知らないからです。
そこでおすすめしたいのが、次の順番で考えることです。
- 今の体調の波は、どんな感じか
- 1日のうち、どれくらい動けそうか
- 1週間のうち、どれくらい通えそうか
- それを受けとめてくれそうな場所を探す
この順で考えると、「制度に自分を合わせる」のではなく、「自分に合う場所を選ぶ」という向きになります。
①体調の波を、まず見てみる
最初に考えたいのは、体調です。
紙でもスマホでもいいので、ここ数週間をふり返ってみてください。
- 調子のいい日と、そうでない日は、どれくらいの割合か
- 波は、日によって変わるのか、週や季節で変わるのか
- 「今日は無理そう」という日を、自分で早めに気づけるか
これは医療の話ではありません。診断や薬のことは、主治医にご相談ください。ここでは「自分の感覚として、どうか」をつかむだけで十分です。
波が大きい時期は、「休みやすさ」を大事にしたくなるかもしれません。波が落ち着いてきたなら、少し決まった働き方も選びやすくなります。
②働ける時間を、正直に見積もる
次は、時間です。「頑張ればこれくらい」ではなく、「無理なく続けられそうなのは、どれくらいか」で考えてみてください。
見るポイントは2つです。
- 1日あたり:連続して集中できるのは、何時間くらいか。休憩をはさめば長くいられるか。
- 1週間あたり:週に何日くらいなら、通っても生活がくずれないか。
ここで大事なのは、「今」の自分で考えることです。少し先の理想ではなく、今の等身大でかまいません。
もし「まだ全然読めない」と感じても、それも大切な情報です。「短い時間から始めたい」という希望として、あとで事業所に伝えられます。
③見積もりから、どちらを考えてみるか
①と②が見えてきたら、ゆるく方向を考えてみます。あくまで目安で、断定ではありません。
- 体調の波が大きく、通える日数や時間がまだ読みにくい → B型のように、自分のペースを大事にできる形が合うことが多いです。
- 波が落ち着いてきて、決まった時間で働くことを試してみたい → A型のような、契約を結んで働く形も選択肢に入ってきます。
ただし、これはきっかけにすぎません。同じB型でも、事業所によって作業の内容も雰囲気も、通い方の相談のしやすさもちがいます。A型も同じです。
最後は「どの型か」より「どの場所か」で決まっていくことが多い、と覚えておくと気がらくです。
迷ったら、見てから決めていい
ここまで考えても、はっきり決まらなくて当然です。実際の場所を見ないと分からないことは、たくさんあります。
見学は、どちらの型でも申し込めることが多いです。その場で「利用します」と決める必要はありません。
見学のときに、②で考えた「働ける時間」を伝えてみてください。
- 短い時間から始められそうか
- 体調がよくない日は、休んだり相談したりできそうか
- 通うペースは、あとから変えられそうか
こうした点を聞くと、その場所が自分の波に合うか、少し見えてきます。
例えば、島根県松江市にある就労継続支援B型のKUKKULAのように、作業の内容やご利用の流れを見学で確かめられる事業所もあります。気になる場所があれば、見学から始めてみるのも一つの方法です。
さいごに
A型とB型のどちらが「正しい」ということはありません。あるのは、「今のあなたに合うかどうか」だけです。
体調の波を見て、働ける時間を正直に見積もり、それを受けとめてくれそうな場所を探す。この順番なら、比較表とにらめっこするより、少し進みやすいはずです。
決められないときは、一人でかかえずに、市町村の窓口や相談支援専門員に相談してみてください。手続きや条件は市町村によってちがうので、あなたの状況に合わせて教えてもらえます。分からないことは、よくある質問を見てみるのもいいかもしれません。
