はたらくということ
B型の工賃、何に使えた?小さな喜びの話
「少しのお金しかもらえないなら、働く意味なんてあるのかな」。そう感じている方は、少なくありません。この記事では、金額の話ではなく、自分で稼いだお金で「何ができたか」という、小さな喜びの視点からお伝えします。
工賃(B型で作業をしたときに受け取るお金)が高くないことは、ほかの記事でも触れています。ここでは、その使い道に目を向けてみます。
「自分で稼いだお金」は、金額より重いことがある
もらった金額を、平均や相場と比べると、ちょっとさみしく感じるかもしれません。
でも、実際に働いた方の話を聞くと、こんな声があります。
- 「はじめて、人からもらったお金じゃなくて、自分で稼いだお金だった」
- 「金額より、自分の手で得た、という感じがうれしかった」
- 「封筒を、しばらく捨てられなかった」
同じ金額でも、「もらったお金」と「稼いだお金」では、心の中での重さがちがうようです。
金額の多い・少ないは、そのままの事実です。それとは別に、「自分で得た」という手ざわりが残ることがあります。
少しのお金でも、できた小さなこと
では、実際に何に使えたのでしょう。大きな買い物ではなく、ささやかなものが多いです。
- コンビニで、好きな飲み物を「自分のお金で」買った
- 家族に、小さなおみやげを買って渡した
- 好きなマンガを、1冊だけ買った
- 帰りに、ちょっと甘いものを買って食べた
- 少しずつためて、ほしかったものに手が届いた
どれも、金額だけ見れば小さなことです。でも、その人にとっては「はじめて自分で決めて使えたお金」だったりします。
だれかに買ってもらうのではなく、自分で選んで、自分で払う。この小さな自由が、うれしいと話す方がいます。
「だれかに渡せた」うれしさ
使い道の中でも、意外と多いのが「人にあげた」という話です。
- お母さんに、ちいさなお菓子を買った
- きょうだいの誕生日に、はじめて自分のお金でプレゼントした
- お世話になっている人に、飲み物を差し入れた
これまで、してもらう側だった。それが、少しだけ「する側」になれた。その感じが、うれしいという声です。
金額は小さくても、「自分にも、だれかに何かできる」と感じられることがあります。それは、お金そのものとは、また別の喜びかもしれません。
「ためる」という使い道もある
すぐに使わず、ためていく人もいます。
- 小さな貯金箱に入れていく
- 通帳の数字が増えるのを見るのが、はげみになる
- 「いつか、これを買う」と目標を決めておく
ためること自体が、通い続ける理由になる方もいます。金額の大きさより、「増えていく」ことに意味を感じるようです。
もちろん、ためずに、その都度使ってもかまいません。使い道に、正しい・まちがっているはありません。あなたが「よかった」と思えれば、それでいいのです。
使い道は、通う前に決めなくていい
「何に使うか、先に決めなきゃ」と、気負う必要はありません。
実際に受け取ってみて、そのとき思いついたことに使う。それで十分です。
また、工賃は事業所によって異なります。金額や渡し方も、それぞれ決まりがちがいます。くわしくは、見学のときに事業所へ聞いてみたり、相談支援専門員(サービスの利用を一緒に考えてくれる人)に確認したりするとよいでしょう。
島根県松江市にあるKUKKULA(クックラ)のように、作業の内容を見学できる事業所もあります。まずは作業の内容をのぞいてみるのも、一つの方法です。
働く意味は、金額だけでは測れません。自分で得たお金で、小さな「できた」をひとつ持てること。それも、通うことで得られるものの一つかもしれません。
気になったら、まずは見学から。使い道のことも、そのときに聞いてみて大丈夫です。
