「作業が遅い自分は、急かされるんじゃないか」。そう思うと、通うのが少しこわくなりますよね。周りについていけるか、不安になるのは当たり前のことです。この記事では、作業所(就労継続支援B型)で作業が実際どう進むのか、支援員(スタッフ)がどう関わるのかを、できるだけ具体的にお伝えします。
まず、急かされないのは「決まり」の話だけではない
よく「B型にはノルマ(こなすべき量の目標)がない」と言われます。これは制度の説明としては正しいことが多いです。でも、それだけ聞いても、安心しきれないですよね。
大事なのは、紙の上の話ではなく、実際の毎日がどう進むかです。
- 「今日は何個まで」と数で追われない日が多い
- 終わらなかった分を、次の日に持ち越していい場合がある
- 「早くして」と声をかけられる場面が、そもそも少ない
こうした進み方かどうかは、見学や体験のときに自分の目で見ておくと、いちばん分かりやすいです。
作業は「その日できた分」で終われることが多い
B型の作業は、一人ひとりが同じ速さで進むものではありません。同じ机にいても、進む量はバラバラです。
よくある進み方は、こんな感じです。
- 午前に少し、午後に少し。合間に休憩が入る
- 1つの作業が終わったら、次に進む。終わらなければ途中で切り上げる
- その日にできた分が、その日の仕事になる
つまり、「決まった量を終わらせないと帰れない」というより、「今日できた分でおしまい」という進み方が多いのです。だから、遅いことが問題になりにくいです。
もちろん、進め方は事業所によってちがいます。気になるときは、「作業が終わらなかったらどうなりますか」と聞いてみてください。
ゆっくりな人に、支援員はどう関わる?
「遅い」と感じたとき、支援員がどう声をかけるか。ここが、いちばん気になるところだと思います。
多くの場合、急かすのではなく、こんな関わり方をします。
- 「このくらいのペースで大丈夫ですよ」と、落ち着かせてくれる
- むずかしそうなら、作業を小さく分けてくれる
- 疲れていそうなら、休憩や別の作業をすすめてくれる
支援員の仕事は、量をこなさせることではありません。その人がその人のペースで続けられるように、そばで調整することです。
だから、「遅くてすみません」と思う前に、「このくらいのペースでいいですか」と聞いても大丈夫です。たいてい、「大丈夫ですよ」と返ってきます。
周りと比べなくていい理由
「自分だけ遅い気がする」。そう感じると、つらくなりますよね。でも、作業所に来ている人は、体調も得意なことも、みんなちがいます。
- 手が速い人もいれば、ていねいに時間をかける人もいる
- 調子のいい日もあれば、ゆっくりにしかできない日もある
- 同じ人でも、日によってペースが変わる
速さだけで「できる・できない」を決める場所ではないことが多いです。ゆっくりでも、ていねいにできることは、ちゃんと作業の力です。
周りが気になってしまうときは、「人と比べると疲れてしまう」と支援員に伝えておくのもひとつの方法です。席や作業を工夫してもらえることがあります。
「速さを求められないか」を、見学で確かめる
急かされないかどうかは、言葉で聞くより、その場の空気で分かることもあります。見学や体験のときに、こんなところを見てみてください。
- 作業しているみんなの様子が、ゆったりしているか
- 支援員が、できていない人に対してどんな声のかけ方をしているか
- 「終わらなかったらどうするか」を聞いたとき、どんな答えが返ってくるか
例えば、島根県松江市にあるKUKKULAのように、作業の内容や一日の進み方を見てから決められる事業所もあります。くわしくは、作業の内容や見学のお申し込みのページをのぞいてみてください。
どんな場所でも、合うかどうかは見てから決めていいものです。
さいごに
作業が遅いことは、責められることではありません。B型の多くは、速さで人を測る場所ではなく、その日できた分でいい、という進み方をしています。
支援員は、急かすためではなく、あなたが自分のペースで続けられるように関わります。不安なときは、「このペースで大丈夫ですか」と、ひとこと聞いてみてください。
なお、作業の進め方や決まりは事業所によってちがいます。利用の手続きや条件については、お住まいの市町村の窓口や相談支援専門員(福祉の相談にのってくれる専門の人)にご確認ください。あなたのペースを大事にできる場所が、きっと見つかります。
