「自分に、何ができるんだろう」。そう考えると、だんだん自信がなくなってくる。作業についていけるか不安で、一歩が出せない。そんな気持ち、よくわかります。
この記事では、「得意なこと」を前もって決めなくても、通いながら少しずつ見つけていける、ということをお伝えします。
まず、得意なことは「わからなくていい」
作業所(就労継続支援B型などの事業所)に通う前から、「自分の得意なこと」がはっきりしている人は、そんなに多くありません。
- 「人より上手なことなんて、ない気がする」
- 「学校や仕事で、うまくいかなかった」
- 「何が向いているか、聞かれても答えられない」
こう感じていても、おかしくありません。むしろ、ふつうのことです。
得意なことは、頭の中で考えて見つけるものとは限りません。手を動かしてみて、あとから「あ、これは意外とできた」と気づくこともあります。
だから今、答えが出なくても大丈夫です。
「適性診断」で決めなくても、通える
「向いている作業を、先に診断してもらわないと通えないのかな」。そう思う人もいます。
でも、通う前にかならず適性を調べる、ということではありません。
多くの場合は、
- まず見学や体験で、いくつかの作業を見てみる
- やってみて、合いそうかを感じてみる
- 通いながら、少しずつ作業を試していく
こんなふうに、「やってみて見つける」進み方になります。
紙のテストで点数が出るわけではありません。実際に手を動かしてみて、自分の体や気持ちがどう感じたかが、いちばんの手がかりになります。
やってみて、はじめて見えてくること
実際に作業をやってみると、思っていたのとちがう発見があります。
- 「細かい作業は苦手だと思ったけど、黙々とやるのは落ち着いた」
- 「体を動かす作業のほうが、気がまぎれて楽だった」
- 「人と話す作業は疲れるけど、短い時間なら大丈夫だった」
こういうことは、やってみる前には、なかなかわかりません。
そして、「合わなかった」とわかることも、大事な手がかりです。合わないものが一つ見つかれば、その分、合うものに近づいています。
作業所では、一つの作業だけと決まっているわけではないこともあります。いくつか試せる場所もあります。どんな作業があるかは、事業所によってちがうので、見学のときに聞いてみるといいでしょう。
「できない」が、責められない場所
いちばん不安なのは、「できなかったら、どう思われるか」かもしれません。
でも、作業所は、はやく・たくさん作ることだけを目指す場所とは、少しちがいます。
- ゆっくりのペースでも、続けられるように工夫する
- できる工程だけを、分けて受け持つこともある
- 疲れたら、休んだり、相談したりできることが多い
「できないこと」を見つけたら、スタッフ(職員)と一緒に、やり方を変えたり、別の作業を探したりできます。
できなくても、そこに居ていい。そういう空気の場所は、あります。
もちろん、進め方や雰囲気は事業所によってちがいます。だからこそ、文字の情報だけで決めず、自分の目で見てみるのが安心です。
あせらず、一つずつ試していい
「早く得意を見つけなきゃ」と、自分を追い込まなくて大丈夫です。
- 今日は、一つの作業を少しだけ見てみる
- 次は、気になった作業を、短く試してみる
- 合わなければ、別のものに変えてもらう
こんなふうに、ゆっくりでいいのです。得意なことは、通っているうちに、自然とかたちになっていくこともあります。
例えば、島根県松江市にあるKUKKULAのように、いくつかの作業を見てから選べる事業所もあります。どんな作業があるかを作業の内容で見たり、見学で実際に感じたりしてみるのも、一つの方法です。
さいごに
得意なことがわからなくても、作業についていけるか不安でも、それは通いはじめる前のふつうの気持ちです。
- 得意は、先に決めなくていい
- やってみて、少しずつ見つけていける
- 「できない」が責められない場所はある
まずは、見てみるところから。一人でかかえこまず、相談支援専門員(福祉の相談にのってくれる人)や、気になる事業所の人に、聞いてみてください。
手続きや利用の決まりは、お住まいの市町村によってちがいます。くわしくは市町村の窓口や相談支援専門員にご確認ください。ご利用の流れやよくある質問も、あわせて見てみると、少し気持ちが軽くなるかもしれません。
