はたらくということ
就労継続支援B型の工賃は、どう決まるの?
「働いても、いくらもらえるんだろう」。就労継続支援B型(雇用契約を結ばずに働ける福祉サービス)を考えるとき、お金のことが気になるのは自然なことです。生活していけるのか、不安になりますよね。
この記事では、金額そのものではなく「工賃(B型で働いてもらえるお金)はどうやって決まるのか」という仕組みと、事業所に聞くときの質問の仕方をお伝えします。
そもそも「工賃」ってなに?
B型で受け取るお金は、「給料」ではなく「工賃」と呼ばれます。
B型は、会社と雇用契約(働くときの約束ごと)を結ばずに利用する形です。だから「給料」ではなく「工賃」という言い方になります。
- 作業をした分に応じて支払われることが多い
- 支払いのしくみは、事業所によって異なります
- 月にいくらになるかも、事業所によって大きくちがいます
ここで大事なのは、「平均はいくら」という数字を一つ覚えても、あまり役に立たないということです。あなたが通うかもしれない事業所の工賃は、その事業所ごとに決まっているからです。
工賃は、どんなことで変わるの?
工賃は、いくつかのことがからみ合って決まります。おもに、こんな点が関わってきます。
- どんな作業をしているか(軽作業、手作り品、食品づくりなど)
- その作業でどれくらいの売上があるか
- あなたが通うペースや、できる作業の量
- 一人ひとりへの分け方のルール
B型の工賃は、事業所が作業で得たお金の中から支払われる仕組みが基本です。ですから、同じ地域でも、事業所がちがえば工賃もちがってきます。
「たくさん働けば多くもらえる」と単純に言えるものでもありません。体調や通えるペースと、うまく折り合いをつけながら続けられるかどうかも、長い目で見ると大切です。
「平均額」の数字を見るときの注意
インターネットで調べると、工賃の平均らしき数字が出てくることがあります。でも、その数字だけで判断しないほうが安心です。
理由は、こうです。
- 平均は、たくさんの事業所をまとめた数字にすぎない
- あなたが通う事業所が、その平均と同じとはかぎらない
- 作業内容や地域によって、実際の額は大きく上下する
つまり平均額は「だいたいの世の中の様子」を知る参考にはなっても、「自分がいくらもらえるか」の答えにはなりません。本当に知りたい額は、気になる事業所に直接たずねるのが、いちばん確かです。
事業所に聞くときの、質問のしかた
見学(実際に事業所を見に行くこと)や問い合わせのときに、工賃のことは遠慮なく聞いて大丈夫です。お金のことを聞くのは、失礼ではありません。
こんなふうに聞いてみると、具体的な話が返ってきやすいです。
- 「この事業所の工賃は、どういう仕組みで決まりますか?」
- 「作業の量や通うペースで、工賃は変わりますか?」
- 「支払いは、月にどのくらいの回数ですか?」
- 「見学のときの作業でも、工賃は出ますか?」
金額そのものを聞くのが言いにくければ、「仕組み」から聞くと話しやすいです。仕組みが分かると、自分の場合はどうなりそうか、イメージしやすくなります。
メモを持っていって、聞きたいことを書いておくのもおすすめです。その場で全部覚えなくても大丈夫です。
お金の不安は、一人でかかえなくていい
工賃だけで生活のすべてをまかなうのは、むずかしい場合もあります。だからこそ、ほかの支えとあわせて考えることが大切です。
- 使える手当や年金などがあるか
- 利用料(サービスを使うときにかかるお金)がどうなるか
こうしたことは、お住まいの市町村によって決まりがちがいます。くわしくは、市町村の窓口や、相談支援専門員(福祉サービスの相談にのってくれる人)にご確認ください。お金の全体像を一緒に整理してもらえると、見通しが立てやすくなります。
事業所によって、作業の内容も工賃の仕組みもさまざまです。例えば島根県松江市の KUKKULA のように、作業の内容を見学のときに説明している事業所もあります。気になる事業所があれば、見学のときに直接たずねてみてください。
さいごに
工賃がいくらになるかは、事業所ごとに、そしてあなたの通い方によって変わります。平均額の数字にふりまわされず、「仕組みを聞く」「自分の場合を確かめる」ことから始めれば大丈夫です。
利用を考え始めた段階での疑問は、ご利用の流れやよくある質問も参考になるかもしれません。分からないことは、一つずつ確かめていきましょう。
