はたらくということ
B型から一般就労へ。急がず考えるステップアップ
「B型に通いながら、いつかは会社で働けるのかな」。そう思う日もあれば、「今はまだ考えたくない」と感じる日もある。どちらの気持ちも、おかしなことではありません。この記事では、B型(就労継続支援B型)から一般就労(会社などにやとわれて働くこと)へ、急がずに考えていくための視点と、だいたいの流れをやさしくお伝えします。
まず、あせらなくて大丈夫です
「ステップアップ」と聞くと、階段を早くのぼらないといけない気がするかもしれません。でも、そうではありません。
B型に通う人みんなが、一般就労を目指しているわけではありません。今の場所で、自分のペースで続けることも、りっぱな選び方のひとつです。
- 一般就労を目指してもいい
- 目指さなくてもいい
- 「いつか」と、ぼんやり思っておくだけでもいい
目標は、途中で変わってもかまいません。まずは「今の自分は、どうしたいか」を、そっと見てみるところからで大丈夫です。
「ステップアップ」には、いくつかの道がある
一般就労までの道は、一本道ではありません。人によって、通る場所がちがいます。よく聞く道を、いくつか並べてみます。
- B型から、直接一般就労を目指す
- B型から、A型(雇用契約を結んで働く福祉サービス)に移る
- B型から、就労移行支援(一般就労の準備を集中して行うサービス)を使う
どの道がいいかは、人それぞれです。体調や、慣れ方や、やりたいことでちがってきます。
どの道を使えるか、どんな順番になるかは、お住まいの市町村や、その人の状況によって決まりがちがいます。くわしくは、市町村の窓口や相談支援専門員(福祉サービスの利用を一緒に考えてくれる人)にご確認ください。
急がず進むための、小さな目安
「そろそろ次を考えてもいいかも」と感じるサインは、人によってちがいます。あくまで一例ですが、こんな変化に気づくことがあります。
- 通うことが、前より疲れなくなってきた
- 作業に、少し慣れてきた
- 決まった時間に起きて、出かけられる日が増えた
- 「もう少しやってみたい」と思う作業が出てきた
これらは、できないと次に進めない、という条件ではありません。あくまで「そういえば、変わってきたな」と気づくための目安です。
サインが見えなくても、あせる必要はありません。調子には波があります。良い日も、そうでない日もあって、ふつうです。
「まだ早いかも」と思ったときの考え方
次を考えはじめると、「自分にはまだ無理かも」と、ブレーキがかかることがあります。その気持ちも、大切にしていいものです。
そんなときは、こんなふうに分けて考えてみると、少し楽になるかもしれません。
- 「今すぐやる」ことと、「いつかやるかも」を分ける
- 「決める」のではなく、「話だけ聞いてみる」にする
- 一人で決めず、まわりの人と一緒に考える
進むことも、今の場所にとどまることも、どちらも選べます。一度進んでみて、合わなければ戻る・変えることも、できる場合があります。「決めたら後戻りできない」と、思いつめなくて大丈夫です。
まわりの人と、一緒に考える
ステップアップは、一人でかかえこまなくていいことです。一緒に考えてくれる人がいます。
- 相談支援専門員:これからの道すじを一緒に考えてくれます
- 今通っている事業所の職員(スタッフ):ふだんの様子から、相談にのってくれます
- ご家族や、信頼できる人:気持ちを話す相手として
「一般就労、少し気になっているんです」。まずは、そう口に出してみるだけでいいのです。すぐに動かなくても、話すことで、自分の気持ちが見えてくることもあります。
事業所の中には、作業を通して少しずつ慣れていける場所もあります。例えば、島根県松江市にあるKUKKULAのように、いろいろな作業から選べる事業所もあります。どんな作業があるかは作業の内容のページで見られますし、まずは見学から様子を見てみることもできます。
さいごに
B型から一般就労への道は、たしかにあります。でも、それは「早くのぼるべき階段」ではありません。
進む・とどまる・また考える。どれを選んでも、あなたのペースが正解です。
もし少しでも気になったら、次に進むかどうかは決めないまま、まずは相談支援専門員や事業所に話を聞いてみるところから始めてみてください。分からないことがあれば、よくある質問ものぞいてみてくださいね。あなたのペースで、大丈夫です。
