はたらくということ
人との関わりが苦手でも通える?話さない距離の作り方
「人と関わるのがこわい」「作業所に行っても、人間関係でくたくたにならないかな」。そう思うと、なかなか一歩が出ませんよね。この記事では、人付き合いを上手にする方法ではなく、「話さなくていい距離」の作り方と、疲れにくい席や作業の選び方を、ご本人の目線でお伝えします。
人と関わるのが苦手でも、通っている人はいます
まず、知っておいてほしいことがあります。就労継続支援B型(体調や事情に合わせて、少しずつ作業ができる福祉サービス)に通っている人の中には、人と話すのが苦手な人もたくさんいます。
作業所は「みんなと仲良くする場所」ではありません。作業をする場所です。だから、
- おしゃべりが得意でなくてもいい
- 休み時間に一人で過ごしてもいい
- あいさつだけできれば、それでいい
こう考えている人も、めずらしくありません。「人とうまくやれないと通えない」ということは、ありません。
「話さなくていい距離」は、自分で作れる
人との距離は、ぜんぶ自分でコントロールできるわけではありません。でも、「近づきすぎない工夫」なら、いくつかできます。
たとえば、こんな方法があります。
- 話しかけられたら、短く答えて、また作業にもどる
- 「今、集中しているので」とだけ伝える
- イヤホンやヘッドホンを使ってよいか、聞いてみる
- 休み時間は、少し離れた場所で過ごす
最初から全部やらなくて大丈夫です。「これならできそう」というものを、一つだけ選んでみるくらいで十分です。
そして、多くの作業所には、あいだに入ってくれる職員(スタッフ)さんがいます。人との距離で困ったときは、その人に相談することもできます。
席えらびで、疲れ方がかなり変わる
意外かもしれませんが、どこに座るかで、一日の疲れ方が大きく変わります。
人の目や声が気になる人は、こんな席が楽なことがあります。
- 壁ぎわの席(背中側から見られにくい)
- 出入り口から少し離れた席(人の動きが目に入りにくい)
- 一人で作業できる机がある場所
- 人と向かい合わせにならない席
席は、事業所によって決まり方がちがいます。自由に選べるところもあれば、決まっているところもあります。だから、見学のときに「座る場所は選べますか」と聞いてみるのがおすすめです。
聞くこと自体が「わがまま」ではありません。長く続けるための、大事な確認です。
作業のえらび方でも、人との距離は決められる
作業の種類によって、人とどれくらい関わるかが変わります。
たとえば、こんな見方ができます。
- 一人で黙々とできる作業:袋づめ、シールはり、組み立て、手芸の細かい工程など
- 人と少し関わる作業:二人で分担する作業、手わたしがある作業
- 人とよく関わる作業:接客、電話、チームで進める作業
「一人で進められる作業から始めたい」と伝えれば、そこから考えてくれる事業所もあります。もちろん、その日の作業の空き具合にもよります。でも、希望を伝えておくことには意味があります。
どの作業が自分に合うかは、やってみないと分からないことも多いです。最初から「これしかできない」と決めつけなくても大丈夫です。
見学のときに、そっと確かめておきたいこと
人間関係が不安なときは、見学で次のことを見ておくと、通ったあとの想像がしやすくなります。
- 作業中、みんなはどれくらい話しているか(静かか、にぎやかか)
- 一人で過ごせる場所があるか
- 休み時間の過ごし方は、自由か
- 職員さんに、こまめに相談できそうな雰囲気か
- 席や作業の希望を、聞いてもらえそうか
言葉で聞きにくければ、その場の空気を見るだけでも参考になります。「静かに作業したい」という希望を、見学のときに一言だけ伝えておくのもよい方法です。
島根県松江市にあるKUKKULA(クックラ)でも、作業の様子を見てもらう見学を受けています。こういう事業所もある、というくらいで、まずは近くの場所を見てみるのもよいと思います。作業の内容はこちら、見学のお申し込みはこちらから確認できます。
さいごに
人と関わるのが苦手でも、通う場所を持つことはできます。大事なのは、無理に人付き合いを上手になることではなく、「自分が疲れにくい距離」を、席や作業で少しずつ作っていくことです。
距離の作り方は、人によってちがいます。だから、正解を一つに決めなくて大丈夫です。まずは見学で、その場所の空気を見てみる。それだけでも、不安の正体が少し見えてくることがあります。
ご利用の流れはこちら、よくある質問はこちらにまとめています。困ったときは、一人でかかえず、市町村の窓口や相談支援専門員(福祉サービスの相談にのってくれる人)にも聞いてみてくださいね。
