はたらくということ
何年も働いていない。復帰への不安と生活リズムの戻し方
「何年も働いていない。今さら働けるのかな」。そう思うのは、当たり前のことです。長く休んでいたら、いきなり毎日通うなんて、想像するだけでこわいですよね。
この記事では、いきなり作業から始めるのではなく、「起きる→出かける→通う→作業」という順番で、少しずつリズムを戻していく考え方をお伝えします。
いきなり「働く」を目指さなくていい
ブランク(仕事や社会から離れていた期間)があると、頭の中で「働く」がすごく大きなものに見えます。
でも、働くというのは、実はいくつもの小さなことが積み重なった結果です。
- 決まった時間に起きる
- 服を着て、外に出る
- 決まった場所まで行く
- そこで作業をする
これを全部いっぺんにやろうとすると、しんどくなります。だから、順番に分けて考えます。ひとつずつ体を慣らしていく、というイメージです。
うまくいかない日があっても、失敗ではありません。慣らしている途中なだけです。
段階1:まず「起きる」からはじめる
いちばん最初は、通うことでも作業でもありません。「朝、決まった時間に起きる」ことからです。
長く休んでいると、寝る時間・起きる時間がバラバラになりがちです。まずはそこを、ゆっくり戻していきます。
- 起きる時間を、だいたいでいいので決めてみる
- 起きたらカーテンを開けて、光を浴びる
- 眠れなくても、朝に体を起こしてみる
いきなり早起きにしなくて大丈夫です。今より少しだけ早く、くらいで十分です。
この段階では「起きられた」だけで、ちゃんと前に進んでいます。
(※眠れない・つらいなどが続くときは、無理をせず、かかっている医療機関などにご相談ください)
段階2:「出かける」に体を慣らす
起きるリズムが少し戻ってきたら、次は「外に出る」です。
ずっと家にいた人にとって、外に出るのは思ったより力がいります。だから、ここも小さく始めます。
- 家の前まで出てみる
- 近くのコンビニまで歩いてみる
- 決まった時間に、決まったところまで行ってみる
目的地はどこでもかまいません。「時間を決めて、家の外に出る」ことに慣れるのが目的です。
毎日でなくてもいいです。週に何回、と決めるのもいいですし、決めずにゆるくやってもいいです。
外の空気に慣れておくと、あとで「通う」がぐっと楽になります。
段階3:「通う」場所を持ってみる
外に出ることに少し慣れたら、次は「決まった場所に、決まったペースで行く」ことです。
ここで、見学という形が役に立ちます。就労継続支援B型(体調やペースに合わせて働く場のひとつ)などの事業所は、見学ができるところが多いです。
いきなり毎日通うのではなく、
- まず一度、見学に行ってみる
- よさそうなら、少ない日数から通ってみる
- 慣れてきたら、日数を調整する
という進め方ができる場合があります。日数や通い方は事業所によって異なります。くわしくは見学のときに聞いてみてください。
例えば、島根県松江市にあるKUKKULAのように、まず見学から相談できる事業所もあります。作業の内容は/work、見学の申し込みは/visitからたどれます。
「通う場所がある」というだけで、生活にリズムができてきます。
段階4:「作業」は、慣れてから少しずつ
最後の段階が「作業」です。ここまで来て、やっと作業の話になります。
ブランクがあると、「ちゃんと作業できるかな」と心配になります。でも、通いはじめの時期は、作業に慣れること自体がひとつの仕事です。
- 短い時間から始められることがある
- 途中で休憩をとりながらできることがある
- 作業の内容は、いくつかから選べることがある
こうした進め方ができるかどうかは、事業所によってちがいます。気になったら、見学のときに「ブランクがあるのですが、どう始められますか」と聞いてみてください。
最初から速く・多く、を目指さなくて大丈夫です。まず、その場に慣れることからです。
順番どおりでなくてもいい
ここまで4つの段階を紹介しましたが、必ずこの順番でなければいけない、というわけではありません。
- 起きるのは苦手だけど、外に出るのは平気
- 通う場所を先に見つけたら、起きるリズムが整った
こんなふうに、人によって進み方はちがいます。行きつ戻りつしても、それは自然なことです。
大事なのは、全部をいっぺんにやろうとしないこと。今の自分ができそうなところから、ひとつ触ってみる。それで十分です。
さいごに
ブランクからの復帰は、階段のように少しずつ上がっていけます。「起きる」から始めて、いつか「作業」までつながっていく、という流れをイメージしてもらえたらと思います。
どこから始めるか迷ったら、一人で決めなくてかまいません。市町村の窓口や相談支援専門員(福祉サービスの相談にのってくれる人)に相談することもできます。制度や手続きはお住まいの市町村によって決まりがちがうので、そちらでご確認ください。
事業所の雰囲気を知りたいときは、よくある質問(/faq)や、ご利用の流れ(/guide)ものぞいてみてください。あせらず、あなたのペースで大丈夫です。
