「初日、うまくやれるかな」「行くのがこわい」。
そう感じているあなたへ。その緊張は、とても自然なものです。
この記事では、持ち物や手続きではなく、初日に感じる「緊張そのもの」とのつきあい方を、ゆっくりお話しします。
まず、緊張するのは「あたりまえ」のこと
知らない場所に、はじめて行く。
知らない人が、何人もいる。
それだけで、心も体も身がまえます。これは、あなたが弱いからではありません。
人は、はじめてのことの前にドキドキするようにできています。それだけ、あなたが「ちゃんと行こう」と思っている証でもあります。
- 前の日、よく眠れなくても大丈夫
- 朝、お腹がきゅっとしても大丈夫
- 玄関で足が止まっても大丈夫
緊張を「消そう」としなくていいのです。緊張したまま、そっと連れていくくらいの気持ちで十分です。
初日は「できなくて当然」から始めていい
初日から、うまく作業をこなす必要はありません。
まわりの人も、スタッフ(職員)も、「今日が初日の人」だと分かっています。できないのが、当たり前の日です。
初日にできれば十分なことは、本当に少しだけです。
- とりあえず、その場所にたどり着けた
- いすに座れた
- 帰ってこられた
これで、その日の役目はもう果たしています。
「初日なのに何もできなかった」と感じても、それは失敗ではありません。はじめての場所で、あなたはちゃんとそこにいられたのですから。
「お客さん」の気持ちで、様子を見るだけでいい
初日は、まだ半分「見学の続き」くらいに思っていて大丈夫です。
なじもうと頑張らなくていい。みんなと仲よくならなくていい。
まずは、その場所の空気をそっと見るだけ。どんな人がいて、どんな作業をしていて、どんな時間が流れているのか。
それを、少し離れたところから眺めるくらいの気持ちで十分です。
「今日は見にきただけ」。そう自分に言っておくと、肩の力がふっとぬけることがあります。
緊張で苦しくなったら、そのまま伝えていい
初日に、胸がざわざわしたり、頭が真っ白になったりすることもあります。
そんなとき、がまんしてひとりで抱えなくていいのです。
スタッフに、こんなふうに伝えてみてください。そのまま使える言葉を置いておきます。
- 「すみません、ちょっと緊張しています」
- 「少し、休んでもいいですか」
- 「どうしたらいいか、分からなくて」
言葉が出ないときは、うなずくだけ、首を横にふるだけでも大丈夫です。
「初日でしんどくなった人」を、スタッフは何度も見ています。めずらしいことでも、迷惑なことでもありません。
なお、気持ちのつらさが強いときや、体の不調が続くときは、ひとりで判断せず、かかりつけの医療機関や支援の方に相談してみてください。
帰り道は、自分をねぎらう時間にする
初日を終えて帰るころには、どっと疲れが出ることがあります。
それは、気をはって一日を過ごした証です。
帰り道や家に着いてから、こんなふうに思ってみてください。
- 「こわかったけど、行けた」
- 「よく、帰ってこられた」
次の日に、また行けるかどうかは、今日決めなくて大丈夫です。
初日は初日。明日は明日。ひとまず今日の自分を、そっとねぎらってあげてください。
通いはじめの疲れや気持ちの揺れは、少しずつ変わっていくことが多いものです。「最初の数週間」のことは、別の記事でもふれています。
初日の不安は、前もって話しておける
「初日が心配です」という気持ちは、通う前に伝えておくことができます。
見学や体験のとき、あるいは利用が決まったときに、こんなふうに話しておけると、少し楽になります。
- 緊張しやすいこと
- 初日は短い時間にできるか
- つらくなったら、どこで休めるか
初日の過ごし方や休める場所は、事業所によって決まりがちがいます。くわしくは、見学のときや、相談支援専門員(福祉サービスの相談にのってくれる人)に確認してみてください。
例えば、島根県松江市にあるKUKKULAのように、見学や体験を通じて初日までの不安を少しずつ話せる事業所もあります。気になる方は、見学のお申し込みやよくある質問ものぞいてみてください。
さいごに
初日の緊張は、なくそうとしなくていいものです。
緊張したまま、たどり着けたら。いすに座れたら。帰ってこられたら。
それだけで、あなたは十分がんばっています。
こわいまま、小さく一歩。そのくらいで、はじめて大丈夫なのです。
