事業所のえらび方
作業所の見学は何ヶ所まわる?通えるかを感じ取るコツ
「一つだけ見て決めていいのかな」「何ヶ所もまわった方がいいのかな」。見学の前に、こんなふうに迷う方は多いです。この記事では、数の答えを出すよりも、見学中に「自分がここに通えるか」を体で感じ取る見方を、いっしょに考えていきます。
「何ヶ所がいい」に、正解の数はありません
まず、正直にお伝えします。「何ヶ所見れば正解」という決まった数はありません。
一つ見てピンときて、そこに決める人もいます。三ヶ所見て、やっと違いが分かる人もいます。どちらも、まちがいではありません。
ただ、迷っている方には、こんな目安があります。
- 一ヶ所目で「よく分からない」と感じたら、もう一ヶ所見てみる
- 見比べる相手がいると、「合う・合わない」が分かりやすくなる
- 疲れない範囲で。1日に何ヶ所もまわると、感じ取る力が鈍ります
数を追うより、「一ヶ所を、ていねいに感じる」方が大事です。次からは、その感じ方の話をします。
数より「通っている自分」を想像できるか
見学のとき、パンフレットの内容や作業の種類は、あとからでも聞けます。その場でしか分からないのは、「ここに通っている自分」が想像できるかどうかです。
見学中、心のなかでこう問いかけてみてください。
- 朝、ここに向かう自分を思いうかべられるか
- この部屋で、何時間か過ごしている自分を想像できるか
- 「ここなら、また来てもいいかも」と、少しでも思えるか
想像できなくても、悪い事業所というわけではありません。ただ、「自分には想像しにくかった」という感覚は、大事な手がかりです。うまく言葉にできなくても、それでかまいません。
体が教えてくれるサインを、見のがさない
頭で考えるより先に、体が反応することがあります。見学中の、こんなサインに気づいてみてください。
- 部屋に入ったとき、肩の力がふっと抜けたか、逆にこわばったか
- 音(機械の音・話し声・静けさ)が、しんどく感じないか
- 明るさやにおいが、気になりすぎないか
- 息が浅くなっていないか、早く帰りたくなっていないか
これは「良い・悪い」ではなく、「合う・合わない」のサインです。同じ場所でも、人によって感じ方はまったくちがいます。
もし体が「しんどい」と言っているなら、それを無理に打ち消さなくて大丈夫です。二ヶ所目を見ると、「あ、こっちの方が息がしやすい」と気づくこともあります。
人とのやりとりを、ひとつだけ見ておく
作業の内容は、あとから変えられることもあります。でも、そこで働く人(職員さん)との相性は、通いはじめてから毎日ふれるものです。
見学中、むずかしく観察しなくていいので、ひとつだけ見てみてください。
- こちらが黙ってしまったとき、どんな間の取り方をしてくれるか
- 質問したとき、急かさずに聞いてくれるか
- 通っている人たちの表情が、こわばっていないか
「この人になら、しんどいときに『休みたい』と言えそうか」。そんな目線で見ると、通ったあとの自分に近い感覚がつかめます。言いにくそうだと感じたら、それも一つの情報です。
見比べるときは、同じ物差しで
何ヶ所か見るなら、それぞれで見る所をそろえておくと、あとで比べやすくなります。物差しがバラバラだと、印象だけが残って迷いが増えます。
例えば、こんな3つだけでも十分です。
- 部屋に入ったときの、体の感じ(楽だったか、緊張したか)
- 職員さんと話したときの、話しやすさ
- 「また来てもいい」と思えたかどうか
見学が終わったら、その日のうちに一言ずつメモしておくと、記憶が混ざりません。数日たつと、どこがどうだったか分からなくなりがちです。
ちなみに、見学のときに聞ける具体的なことは、事業所によって大きくちがいます。工賃(作業でもらえるお金)や利用料、通える日数なども事業所ごとに異なります。気になることは、その場で遠慮なく聞いて大丈夫です。手続きや制度のことは、お住まいの市町村の窓口や相談支援専門員(サービスの利用を手伝ってくれる人)にも確認してみてください。
例えば、島根県松江市にあるKUKKULAでも見学を受けつけています。「こういう事業所もあるんだな」という一つの例として、見学のお申し込みや作業の内容のページをのぞいてみるのもよいかもしれません。
さいごに
見学の数に、正解はありません。大事なのは、「ここに通う自分」を想像できるか、体が楽でいられるか、という感覚です。
一ヶ所でしっくりくれば、それで決めていい。迷うなら、もう一ヶ所見てから考えていい。どちらも、あなたのペースで大丈夫です。
見学したからといって、その場で「利用します」と決めなくてもかまいません。まずは、感じ取りに行くだけ。それで十分です。
