見学や体験のとき、「トイレに行きたい」と言い出せるか、不安になっていませんか。作業の途中で手を止めるのが申し訳なくて、がまんしてしまいそう。そんな気持ちは、めずらしいものではありません。この記事では、言い出しにくいときに使える短い一言と、黙って席を立ってもいい実際の様子を、本人目線でお伝えします。

まず、トイレは「がまんするところ」ではありません

作業所(就労継続支援などの事業所)は、体のことをがまんして過ごす場所ではありません。トイレに行きたくなるのは、だれにでもあること。悪いことでも、はずかしいことでもありません。

職員(スタッフ)も、通っている人がトイレに立つのを、ふつうのことだと思っています。「急にいなくなった」とおどろいたりはしません。

  • トイレは、好きなタイミングで行っていいことが多いです
  • 「行っていいか」を、毎回聞かなくてよい場合もあります
  • 体調やおなかの調子で、回数が多くなっても大丈夫です

ただし、決まりごとは事業所によってちがいます。くわしくは、見学や体験のときに聞いてみてください。

黙って席を立っても、いいことが多い

「トイレに行きます」と、わざわざ言わなくてもいい作業所は、たくさんあります。手を止めて、そっと席を立つ。それだけで大丈夫なことが多いです。

実際の様子を、少しだけ書いてみます。

  • 作業中、だまって立ち上がって、トイレに行って、また戻ってくる
  • だれも、じろじろ見たりしない
  • 戻ってきても、「どこに行ってたの」とは聞かれない

声を出すのがつらい日は、黙って立つだけでいい。そう思っておくと、少し気持ちが軽くなるかもしれません。

もし「黙って立っていいのかな」と気になるときは、最初に一度だけ確かめておくと安心です。「トイレは、だまって行っても大丈夫ですか」と聞いておけば、次からは気にせず立てます。

そのまま使える、短い一言

「何か言ってから行きたい」という人のために、短い言葉をいくつか用意しました。長く話さなくて大丈夫です。

声に出して言うなら、

  • 「ちょっと、すみません」
  • 「トイレ、行ってきます」
  • 「少し、外します」

これだけで伝わることが多いです。理由をくわしく説明する必要はありません。

職員の近くを通るときに、小さく会釈(えしゃく。軽く頭を下げること)するだけでも伝わります。言葉が出ないときは、それでもかまいません。

体調のことなら、

  • 「少し、休ませてください」
  • 「気分が、よくないです」

と短く言えれば、あとは職員が様子を見てくれることが多いです。

言葉が出ないときの、別の方法

人前で声を出すのが、どうしてもつらい日があります。そういうときのために、言葉を使わない方法もあります。

  • 手で合図を決めておく(手をあげる、など)
  • メモやカードに書いて見せる
  • スマホの画面に文字を打って見せる

こうした方法を使っていいか、前もって職員に相談しておくと、当日あわてずにすみます。「声が出しにくいので、こういうやり方でもいいですか」と伝えておくと、分かってもらいやすいです。

自分に合うやり方を、一つ持っておくと安心です。

「迷惑かな」と思ってしまうとき

「作業の手を止めたら、迷惑じゃないかな」。そう感じて、言い出せなくなることがあります。やさしい人ほど、そう思いやすいかもしれません。

でも、トイレに立つことや体調を伝えることは、迷惑ではありません。むしろ、がまんして体調をくずすほうが心配です。職員は、無理をしてほしいとは思っていません。

それでも気になるときは、通いはじめる前に一度だけ確かめておくと、心が楽になります。

例えば、島根県松江市にあるKUKKULAのような事業所でも、見学のときにこうした不安を話す人がいます。トイレや体調のことを、先に聞いておくのは自然なことです。

見学や体験で確かめられることは、よくある質問や見学のお申し込みのページからも、少しイメージできるかもしれません。

見学のときに、そっと確かめておきたいこと

通う前に聞いておくと、当日から安心して過ごせます。見学や体験のときに、次のようなことをそっと聞いてみてください。

  • トイレは、だまって行っても大丈夫ですか
  • トイレの場所は、どこですか
  • 体調が悪くなったとき、どう伝えればいいですか
  • 声が出しにくいとき、別の伝え方でもいいですか

全部を一度に聞かなくても大丈夫です。気になることを、一つだけでも聞いておけば十分です。

うまく聞けなかったときは、あとから電話やメールで聞いてもかまいません。

さいごに

トイレに行きたいと言えないのは、あなたが弱いからではありません。言い出しにくい気持ちは、だれにでもあります。

黙って席を立ってもいいこと。短い一言で伝わること。言葉の代わりの方法もあること。この中から、自分に合うものを一つ持っておくだけで、ずいぶん楽になります。

体のことを、がまんしなくていい場所を、ゆっくり探していけたらと思います。