「作業所を見てみたい。でも、まだ親には言いたくない」。そう思うこと、ありますよね。うまくいくか分からないうちから、家族に知られて期待されたり、心配されたりするのがしんどい。そんな気持ちは、よくあることです。この記事では、まず自分だけで、こっそり一歩を踏み出すための進め方を、本人の目線でまとめます。

まず、一人で動きはじめていい

見学や相談を、家族に言わずに始める人はいます。それは、こそこそする悪いことではありません。

「どんな場所か、自分の目で確かめてから考えたい」。その気持ちは自然なものです。

見学は「利用を決めること」とは別です。見てみて、合わないと思えば、そのまま帰っていい。だから、まだ家族に話す段階ではない、と感じているなら、無理に話さなくて大丈夫です。

まずは「自分のために、ちょっと見てみる」くらいの軽さで考えてみてください。

連絡の取り方で、知られにくくする工夫

家に書類が届いたり、電話がかかってきたりして気づかれる、というのが心配な方は多いです。いくつか、できる工夫があります。

  • 連絡は、自分のスマホの番号やメールでお願いする
  • 電話の折り返しは「この時間なら出られます」と自分で伝えておく
  • 郵送が必要なときは「郵送はしなくて大丈夫です」と最初に聞いてみる
  • メールやフォーム(問い合わせ用の入力ページ)で連絡できるか確かめる

見学のお願いをするとき、「家族にはまだ話していないので、連絡は私に直接お願いします」と、ひとこと添えておくと伝わりやすいです。

こういうお願いをされること自体は、めずらしくありません。気をつかいすぎなくても大丈夫です。

「一人で見学したい」は、言っていい

見学は、本人が一人で行っても大丈夫なことが多いです。「家族と一緒でないとダメ」ということは、ふつうありません。

見学のお願いをするときに、こんなふうに伝えられます。

  • 「一人でうかがいたいのですが、大丈夫ですか」
  • 「今回は自分だけで見てみたいと思っています」

当日、うまく話せなくても心配いりません。見るだけでも、十分に意味があります。気になったことがあれば、その場でひとつだけ聞いてみる、くらいでいいのです。

例えば、島根県松江市にあるKUKKULAのような事業所でも、見学の相談をメールやフォームで受け付けているところがあります。連絡の取り方を、申し込みのときに確かめてみてください。

家族に内緒で、お金や制度の相談はできる?

ここは、少し注意が必要です。作業所を実際に利用するには、受給者証(福祉サービスを使うための証明書)が必要になる場合があります。

その手続きのなかで、家族と話す場面が出てくることもあります。どこまで本人だけで進められるかは、お住まいの市町村によって決まりがちがいます。

だから、こう考えておくと気がらくです。

  • 「見学・相談」の段階は、一人でも動きやすい
  • 「実際に通う」の段階になると、家族や書類が関わることがある

くわしくは、市町村の窓口や相談支援専門員(福祉サービスの相談にのってくれる専門の人)に確認してみてください。「家族にはまだ話していないのですが」と前置きして相談しても、だいじょうぶです。

一人でかかえこまない相手を、一人だけ持つ

家族には言いたくない。でも、完全にたった一人で進めると、途中でしんどくなることもあります。

そんなときは、家族以外で、相談できる相手を一人だけ見つけておくと楽になります。

  • 相談支援専門員
  • 市町村の福祉の窓口の人
  • 見学に行った事業所のスタッフ
  • かかっている病院の相談できる人

この人たちは、あなたの許しなく、勝手に家族へ連絡することは基本的にありません。心配なときは「家族にはまだ伝えないでほしい」と、はっきり伝えておくと安心です。

「秘密にしてくれる相手が一人いる」。それだけで、一歩が踏み出しやすくなります。

さいごに

まず自分だけで動きたい、という気持ちは、ちゃんと大切にしていいものです。

家族に話すかどうか、話すならいつかは、見てみたあとで、あなたのペースで決めていけます。

今できる小さな一歩は、

  • 気になる事業所に「一人で見学したい」と連絡してみる
  • 連絡は自分のスマホにお願いする、とひとこと添える
  • 迷ったら、家族以外で相談できる相手を一人さがす

このくらいで十分です。見るだけなら、まだ何も決まりません。ゆっくり、あなたのペースでどうぞ。