「行ってはみたけど、途中でしんどくなったらどうしよう」。そう考えると、通う前から足が重くなりますよね。この記事では、作業所(就労継続支援B型などの通う場所)に来た日でも、途中で帰っていいこと、そしてそのときの伝え方の一言をお話しします。

まず、「その日が無理」でも帰っていい

先に、いちばん大事なことをお伝えします。

来てみたけれど「今日はもう無理だ」と感じたら、その日はそこで切り上げて帰って大丈夫です。

途中で帰ることは、わがままでも、失敗でもありません。

  • 朝は行けそうだったのに、着いたらしんどくなった
  • 作業を始めてみたら、思ったより疲れてしまった
  • なんだか落ち着かなくて、ここにいるのがつらい

こういうことは、だれにでも起こります。体と心は、その日によって動き方がちがいます。

「早退の制度があるから帰れる」というより、「今日のあなたが無理だと感じたなら、帰ってよい」。そう考えてもらえたらと思います。

「来た日に帰る」は、通い方のうち

通うことに、「一日ずっといないとダメ」という決まりは、多くの場合ありません。

たとえば、こんな通い方をしている人もいます。

  • とりあえず来てみて、調子が悪ければ早めに帰る
  • 午前中だけいて、お昼の前に帰る
  • 作業を少しだけやって、「今日はここまで」で帰る

「来たのに帰るなんて、来た意味がないのでは」と思うかもしれません。でも、来られた時点で、その日はもう十分です。

家から出て、そこまで行けた。それだけでも、体には力が要ります。途中で帰る日があっても、それはちゃんとした通い方のひとつです。

途中で帰りたいとき、そのまま使える一言

いざ帰りたくなっても、「なんて言えばいいか分からない」と、言い出せないことがあります。言葉を用意しておくと、少し楽になります。

そのまま口に出して使える、短い言い方です。

  • 「すみません、今日はしんどいので、帰らせてもらえますか」
  • 「ちょっと調子が悪いので、今日はここまでにします」
  • 「体がきついので、早めに帰りたいです」

理由を、くわしく話さなくても大丈夫です。「しんどい」「きつい」だけで、職員(スタッフ)には伝わります。

声を出すのがつらいときは、こんな方法もあります。

  • メモ用紙に「帰りたいです」と書いて見せる
  • スマホの画面に文字を打って見せる
  • 近くの職員に、小さく手を上げて合図する

「言う」以外のやり方で伝えてもかまいません。あなたが伝えやすい方法で大丈夫です。

「迷惑かな」と思ってしまうとき

途中で帰ろうとすると、「作業の途中なのに」「迷惑をかけるかも」と、気持ちがブレーキをかけることがあります。

その優しさは、とても大事なものです。でも、無理をして体調をさらに崩してしまうと、次の日も、その次も通えなくなってしまうかもしれません。

職員は、途中で帰る人を見慣れています。その日の調子で帰ることを、責めたりはしないことがほとんどです。

むしろ、「無理そうなら、早めに言ってほしい」と考えている人が多いです。あなたが倒れてしまう前に帰ってくれたほうが、職員も安心できます。

「迷惑をかける」のではなく、「自分を守る」。そう考えてもらえたらと思います。

通いはじめる前に、確かめておけること

途中で帰りやすいかどうかは、場所によってちがいます。見学や体験(お試しで通ってみること)のときに、そっと聞いておくと安心です。

聞き方の例です。

  • 「途中でしんどくなったら、帰ってもいいですか」
  • 「早めに帰りたいときは、どう言えばいいですか」
  • 「作業の途中でも、帰ることはできますか」

こう聞いたからといって、変に思われることはありません。むしろ、通ったあとの不安を先に減らせます。

たとえば、島根県松江市にあるKUKKULAのような事業所でも、見学のときにこうした質問を受けています。気になる場所があれば、見学のときに聞いてみるとよいかもしれません。通う前のことは、ご利用の流れやよくある質問も、のぞいてみてください。

なお、通うときの細かい決まりや手続きは、お住まいの市町村によってちがいます。くわしくは、市町村の窓口や相談支援専門員(福祉サービスの相談にのってくれる人)にご確認ください。

さいごに

途中で帰ってよいか、不安なまま通いはじめるのは、こわいものです。でも、「その日が無理なら、帰っていい」。それが分かっているだけで、少し行きやすくなることがあります。

来た日に帰っても、大丈夫です。一日いられなくても、大丈夫です。

あなたのその日の調子に合わせて、通えばいいのです。まずは「行ってみる」だけで、もう一歩です。